憧れでは務まらない「コンサル」の仕事(1/2回)
結論からいうと、「コンサル」という言葉が好きな人にコンサルティング業務は向いていません。
コンサルタントという言葉を知り、コンサルティング業界に興味を持ったあなたは、この仕事にどのようなイメージを抱くでしょうか。
・高給取りの頭のいいエリート集団が
・てきぱきとクライアントの課題を解決していく
・スマートでカッコイイ仕事
だいたいこのようなイメージで認識されている方が多いです。
◆コンサルって、どんな仕事?
コンサルタントの仕事は、クライアント(コンサルティングを依頼した顧客)の職場に出向き、与えられた問題を解決することが主となります。
その問題は、
・売上が低迷しているので原因を分析して解決策を提示してほしい
・M&Aをしたいが、候補となる企業について分析してほしい
・人事システムを導入する上で検討となる資料を作成してほしい
・新しいサービスを立ち上げたいがマーケットの魅力度を調べ、自社がシェアを獲れるかシミュレーションしてほしい
等、企業が経営している悩みを解決します。
◆具体的な仕事内容
・起きている問題に対してその原因を突き止めるための事実(データ)を収集し、今後の打ち手について検討するよう資料を作成する
・データがなければ、クライアント内でヒヤリングを重ねて情報収集して資料にまとめる
・情報収集した内容をもとに、仮説を立てる。その仮説が正しいか検討するための資料を作成する
・収集した資料をもとに実際に仮説を検証し、結果を踏まえて再度仮説を立てるための資料作り
基本的には、この繰り返しとなります。
データは数字がつきものです。
売上数字の分析や統計的処理等、数的処理が向いている人が必要となる職場です。
また、今ある情報が不確かかどうか確認する態度、様々な視点から論理的に正しいかどうかを検討する知的なタフさも必要となります。
そして、立てた仮説に対して顧客の認識を変えられるかどうか、顧客を納得させられるかどうかがかかっている報告書の量は、100ページ200ページをゆうに超え、何を伝えるかも大事ではありますが、どのように伝えるのかという表現力も問われます。
つまり、毎日が卒業論文の作成といっていいでしょう。
これが好きな人って、一握りだと思いませんか?
あなたは、論理性と感性が完備された、相手の心を一瞬でつかむ卒論作成が得意ですか?
しかし、それが仕事なのです。
なぜクライアントは自社でやらずにコンサルに依頼するのか考えてみてください。
簡単です。
自分でできなかったり、したくなかったりするから依頼するんですよね。
◆いずれにせよやることは、事実を集めて分析し、ひたすら資料作り・・・
これに尽きます。
そして、この作業を得意先に席を借りて仕事をしていくのです。
コンサル会社のフィーは、稼働時間に対して支払われることも多く、無駄な時間は過ごせません。息抜きもしにくく体力的・精神的なプレッシャーを感じながら仕事をします。
クライアント先に席を置くわけですから、居心地のよい職場というわけではありません。
では、コンサルタントの本質的な提供価値とは何でしょうか。
次回以降のブログでお伝えします。