【転勤とジェンダー】地域限定職は逆差別?男女の生き方働き方  

210113【転勤とジェンダー】地域限定職は逆差別?男女の生き方働き方   

 

こんにちは、キャリアコンサルタント三上です。

あまり男女で分けて話をしたくないのですが、女性には出産というライフイベントを考慮する必要があるため、本日は職掌別(職種別)採用についてです。

 

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<総合職=全国転勤は時代にそぐわない話>

 

労働政策研究・研修機構の調査によると、転勤によって結婚がしづらいという人は、およそ3割にのぼります。

https://www.mana-biz.net/images/4_res_107_01.png 

 

総合職は全国(企業によっては全世界)がつきものだと分かってはいるものの、結婚や育児・介護などのシーンで、その時にどのような立場で、どこで仕事をしているか分からないとなると、将来を描きづらいのは確かに想像できます。

 

 

 

◆かつての常識=男性が総合職で女性が一般職

昔から総合職が男性で、一般職が女性というイメージを持たれている方もいると思います。

確かに、一般職は転勤が無く、定型業務を行う傾向があるため、給料も抑えられていることから、実家暮らしの女性を想定しています。

 

本来、職種別採用ではない日本企業において、このような区分がされているのは、法的に男女指定の募集が出来なくなったことも関係していますが、目的は女性の多様な生き方・働き方の「選択肢」を考慮したものです。

 

自分の描くライフプランによっては、結婚や出産を考えている女性のために与えられた権限であり男性は想定されません。

男性も、結婚や育児・介護はあれど「出産」は無いので、この配慮は当然と言えば当然です。

 

したがって、一般職については生活していく経済面の配慮や、出産・育児の事を鑑みれば、実家暮らしの女性以外の方は、ほぼ採用されません。

 

また、伝統的に男性社会であった建設や不動産、鉄鋼業界、重電メーカー。

あるいは、総合商社の中では生活産業部門よりも、重厚長大産業(領域)の方が、昔から男性総合職が多い傾向にあります。

 

一方、女性総合職は販売接客・介護・CAなどサービス業全般。

また、マスコミや通信、日用品・生活用品、化粧品などの生活必需品で、マーケットの半分を握る女性消費者目線の重きを置いた業界において、その割合が比較的高めです。

 

とはいえ、建設や不動産・鉄鋼、重電メーカーに女性総合職が全く居ないかと言えばそうではありません。

世界を相手に、実力で勝負することが日本企業に求められている環境下においては、男性だから、女性だからと前提に考えること自体ナンセンスです。

 

ゴルフや飲み会などの接待が全く苦にならず、ハラスメントという概念も気にしない。

おっさんの下世話な話を下ネタで返せちゃう位のたくましいマインドを持っている方は、是非あらゆる業界に挑戦してください。

 

一方、例えば金融業界のおける地域限定職(エリア総合、特定総合など呼称は様々)などでは、男女の区別はありません。

男性でも首都圏勤務限定など、地域を絞った転勤無しの働き方が可能です。

 

ただ、仕事内容と責任範囲は明確に異なります。その中で、銀行(メガバンク)と損保(メガ損保)を比較してみましょう。

 

 

◆銀行と損保で見る職種別採用の違い

〈損害保険業界〉

総合職と地域職というような、2職種区分の地域職(エリア総合職)は、一般職的な仕事から始まる。

 

損保業界は、総合職と地域職という大きく2つの職種で定着しています。

※総合職はグローバルコース、全域社員など呼称は企業により異なります。

※話を明確にするため、アクチュアリーなど専門職は除きます。詳しい職掌は自分で調べてください

 

実際には、総合職は男女とも実績がありますが、地域型は女性を想定しています。

総合職と肩を並べ、同じ仕事と責任において人生設計を考えながらキャリア形成ができると人事は説明しますが、総合職と地域職では、仕事内容はだいぶ変わります。

 

一概に言えませんが、損保の地域職で入社した場合でも、営業として数字目標を持たされますが内勤事務スタート。

※地域職は、エリアコース、地域型など呼称は企業により異なります

※ひと昔前は、明確に一般職という呼称でした。

変更理由は様々ですが、主に学生の一般職=やりがい無さそう、つまらなそうという、というイメージを払拭するため。

また、優秀な女性人材を確保し多様な生き方・働き方を推進し、長く勤務してもらうために、一般職という呼称を止めて、各社横並びで地域型、地域社員、エリア職(総合コース)という呼称に変えています。

 

「元々は一般職だった」ということがポイントです。

元来一般職であった以上、男性は事実上損保業界では総合職しか選ぶことができません。

 

これは、銀行との違いですので、おさえといてください。

 

〈銀行業界(メガバンク)〉

メガバンクは、主に総合職、地域総合職、一般職のように3職種に区分されているケースが多いです。

※地域総合職は基幹職(専門)、総合(リテール)職など企業により呼称は異なります

※一般職はビジネスキャリア職、アソシエイト職な企業により呼称は異なります

 

主に、総合職は法人営業、地域総合職は個人営業、そして一般職は文字通り一般事務・営業事務です。

 

銀行における地域総合職は男性でも応募可能ですし、内定実績もたくさん出ています。(一般職は女性のみです)。

 

呼称はバラバラですが、明確に3職種(3区分)しているため、仕事内容が比較的把握しやすいです。

 

ただ最近では、地域総合職は元々個人向け営業のみだったのが、総合職のみにその特権が与えられていた法人営業(中小企業が中心)を選択できるようになりました。

元々は、完全に個人向け営業だったという点がポイントです。

 

また、一般職だとしても数字目標を持たされて、顧客(個人)へ向けた金融商品の営業を担います。

 

つまり、従来の一般職の定型業務は派遣社員の方々に任せ、一般職社員は地域総合職が元々担っていた個人営業を担う。

そして、地域職社員の仕事であった個人営業は一般職に任せ、地域職社員は、総合職が元々担っていた法人営業(中小企業メイン)を担う。

というように、業務・役割を順次シフトしていきました。

 

この傾向は、銀行だけではなく証券、損保、生保など金融機関各社で同じ傾向で、総合職も一般職も、とにかく数字を追いかけて結果を出す姿勢が求められている。

 

そのようなことから一般職志願者は定型業務を淡々ではなく入行1年目から数字を持たされ営業マインドが必要。

そして、優秀で年上の派遣社員の方々のマネジメントスキルも要求されることを心しておくこと。

 

 

◆地域限定職(エリア総合)はいいとこ取り?

銀行や証券、生保、損保も、地域限定職(エリア総合職、特定総合職)は、総合職と一般職の中間で両者のいいとこ取りという感じもします。

また、転居を伴わない勤務地に限定されるという、キャリアを描く上でとても重要な「特権」を与えられました。

しかし、そんなにおいしい職種別採用は世の中に(少なくとも日本企業において)は無く、待遇や昇進スピード、仕事内容によって明確な差を付けているのが実情です。

 

そんな中でも、損保や生保はここ数年で、地域限定職でも実力次第で役職につけるようになってきたように感じます。

役職につけない総合職もいれば、地域職でも課長クラス、部署によっては部長クラスも狙えるというわけです。

 

その点、銀行は遅れていて、総合職の方々を飛び越えて地域限定社員が役職者や支店長クラスになることはほとんど聞きません。

 

銀行の役職ヒエラルキーは厳然と堅持されていて、バンカーマインドにも「当行の未来は法営(総合職)の方々にかかっている」という認識が浸透しています。

※どちらかと言えば、線引きは総合職とその他(地域職・一般的職種)の部分で色濃く出ています。

※総合職と地域総合職の仲が悪いというわけではなく、格の違いを互いに認識しながら、別々のフィールドで戦っているというイメージです。

 

トップカンパニーが自分にフィットする企業では無い理屈と同様に、どの業界・職掌が自分の価値観にフィットするかという視点で業界・企業・職種理解を深めてください。

 

 

 

◆何を優先して生きていくか

金融のヒエラルキートップは紛れもなく総合職ですから、社会的地位や収入面などを重視するなら総合職。

 一方、収入や地位は総合職より見劣りしてもいいけれど、転勤を避け、プライベートを優先・充実させたい人生を送りたいなら地域総合職や一般職というように優先事項を洗ってください。


 また、家庭の事情で男性でも実家を離れることができない方も当然たくさんいます。

現在の雇用慣行では、転勤なしの総合職は地方公務員(市役所)か大学職員か病院、地銀・信金くらいしかありません。

 

しかし、時代が変われば常識も変わることはコロナ渦で実感していることでしょう。

今後ますます実力社会にシフトし多様な価値観や働き方を尊重し、今まで以上に選択可能なキャリア形成はあなた次第で実現できます。

 

◆無意識の偏見を外すことから全て始める

・航空会社のCA=女性?

・建設現場の監督=男性?

 

それは無意識のバイアスです。

・昭和世代の職人さん達に臆することなく指示を出し檄を飛ばすヘルメット作業着姿の女性指揮監督者

・華麗な所作で口元に笑顔を絶やさず瞬時にお客様の要望に対応する屈強な男性キャビンアテンダント

 

職業選択も職業人生も世の中を変えていくのは先ず「自分のバイアスを外すこと」から全て始まる。

国や企業や社会構造のせいではありません、一人ひとりの意識変革からです。

 

 

◆まとめ

・金融業界の職掌別採用は、ある程度業務の棲み分けができていて、働く姿やキャリアがイメージしやすいのが利点

・いずれの職掌も徹底して数字にこだわる営業マインドを持ち結果責任が問われる

・自身の描くキャリアや向いている仕事に合わせて男女の垣根を超えた選択社会を自ら形成していく

 

 

自分が理解されないことを人や環境のせいにした時点で終わりですから、自分が常識を変えていく気構えでチャンスを引き寄せ理想のキャリアに近づけ、自ら選び取った人生を堂々と歩んでいきましょう。

 

 

悔いのない就職活動を応援しています。


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