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好奇心や責任感は強みではない

エントリーシートの添削をしていると、自己PRや学生時代に頑張ったこと、長所という項目で、「好奇心」や「責任感」を押し出している人が少なくありません。

 

好奇心=自分が好きなことだけ頑張れる

まず、好奇心が強いというのは自分が興味を持ったことに対して、何事にも積極的に挑戦するということです。いっけん、悪いことではないですが、好奇心というのは自分が興味を持ったことに対してという条件が付きます。

 

逆に言えば、

・自分が興味や関心のないことや、自分が苦手なことや得意ではないことに対しては、好奇心はわかずに行動に移さない人

 

という見かたもできます。仕事内容は自分で選べるものではありませんし、希望通りの仕事に就ける確証がない中で、好奇心の強さだけでは読み手としてはその人に利益やメリットを感じるとは思えません。

 

むしろ、好奇心の向かない業務に対しては、頑張ってもらえない、好き嫌いの強い人なのではないかという懸念すら抱かせてしまうリスクもあるので気をつけてください。もし、好奇心の強さを打ち出したいのであれば、例えば、

・「強い好奇心から何事にも果敢に挑戦することができる」

という表現であれば伝わります。読み手がその文字やフレーズを見て、どのような心境になるのか、相手の気持ちを思いやって考えてみてください。

 

 

責任感=決められたことしかできない

責任感というのも眉唾です。

責任感の強さというのは、自分の役割をしっかりと担い、与えられた役割を決められた通りにしっかりとこなすということです。

 

ただ、決められた(与えられた)役割を担うということは、雇用主から金銭報酬を得て労働力を提供している関係上、当然のことです。

 

ですから、責任感が強い=役割をしっかりとこなすということは、営業であれば営業職を、事務職や販売職であればその仕事を、こなすというジョブに過ぎません。

 

ですから、責任感を持って仕事に取り組むことは当然ですので、もし責任感の強さを別の言い方で表すのであれば、

・「成果にこだわり粘り強く最後まで取り組める」

・「目標に向けて主体的に考え行動できる」

 

という表現であれば先方の共感を得やすいと思います。

 

ポイントは企業に利益やメリットをもたらせるか

仕事はあなたが介在することによって新たな価値を提供できることを指しますので、決められらこと、与えられた役割をこなすジョブ止まりではなく、自ら考え行動できる素養が求められます。つまり、当たり前のジョブをこなすのではなく、

 

・現状に課題や疑問、問題意識を持ち、改善や提案ができたり、自分なりのオリジナルの思考や手法、行動によって売り上げに貢献できたりすること

 

ができるなど、行動レベルとして1つ上のワークが求められます。

 

つまり、自分の強みや能力をアピールしようと言語化する際に、その強みは独りよがりのものや、当然の脂質(ジョブ止まり)になっていないかを見直すことと、先方の利益に継続的に貢献することができる能力であるかどうかということが重要なポイントとなります。時間や約束を守る、人と協力する、一生懸命頑張るということは社会人として当然ですし、むしろ学生時代に身についていないと困ります。アピールすべきなのは、そのような当然の資質ではなく、仕事をワークとして捉え、独自の創意工夫やアイデアで、新たな手法や価値を提供できることにしてください。

 

なお、コミュニケーション能力の高さを強みとしてアピールする人や、相手が喜ぶ笑顔を見ることが好きだという感想めいたことを書く人もいます。これらも、質問の趣旨とはずれていて、

 

・コミュニケーション能力というのは、面接で会って第一印象と最初の5分程度の会話ですぐに伝わりますので、文章で伝えるべきことではありません。

・また、人が喜ぶことが好きということであれば、民間企業ではなくボランティアや飲食、介護施設の方が向いているということになります。

 

人や社会に「どのように貢献できるのか(していきたいのか)」ということを明確にしておかないと、このような罠にも陥りがちになりますので気をつけてください。