「面接は会話のキャッチボールです」
というアドバイスを聞いたことがある人はいると思いますが、意外とこの会話のキャッチボールをできない人が多いです。
◆聞かれている日本語に対応させること
ESの設問にも言えることなのですが、「日本語に対応している」ということはとても大事です。
それにも関わらず、聞かれていることとまったく違う内容を話してしまう学生が後を絶ちません。
例えば。
NG例
面接官「それでは、まず簡単に自己紹介をお願いします。」
学生「はい、私には人間関係を円滑にする力があります。それは、大学時代のテニスサークルでの経験で身につけました。所属していたテニスサークルでは当初…」
ちょっと、ちょっとちょっと!
待ってください。
面接官が聞いているのは、
「自己紹介お願いします。」
です。
それにも関わらず、なぜか自己PRをご丁寧にエピソード付きでしてしまう。
このようなことがよく起こる原因として、マニュアルが存在すると思っていることに起因します。
面接官から放たれたボールは全て自己PRで打ち返せ!的な、間違ったアドバイスをうのみにしている典型です。
面接は会話のキャッチボール。
つまり、自分が伝えたいことを話しのではなく、相手が知りたいこと、聞かれていることを簡潔に伝えることです。
「自己紹介」をお願いされている、つまり相手が知りたいのはあなたの概要なので、それを簡潔にわかり易く伝えてください。
例えば
学生「◯◯大学◯◯学科◯年の◯◯◯◯と申します。私、スポーツが好きで、中学高校は野球部に所属し、大学では個人競技に挑戦したいと思いテニスサークルに所属しました。休日も割と外に出て運動をしている事が多いです。ちなみに、好きな食べ物は納豆巻きで、毎朝必ず食べています(照れ笑)。
本日は宜しくお願いします。」
この程度で十分です。
自己紹介をして、と言われているのか、自己PRをしてと言われているのか、相手の発言をよく聞いて、日本語に対応した会話を心がけてください。
◆話がとにかくダラダラと長い
最も多くの学生が陥るミステイクです。
質問に対する回答が長い。ESに書いた内容を、一字一句同じように伝えてしまう。
これは本当に相手の立場になって物事を考えることのできていない典型です。
例えば、
NG例
面接官「それでは、学生時代に最も頑張ったことを教えてください」
学生「はい、私は学生時代にアルバイトに最も力を入れて取り組みました。私のアルバイトはコーヒーチェーン店で全国でも来客数が多い店です。その店では当初、新規のお客様が減少していることが課題でした。私はそれを問題ととらえ、3つの事に取り組みました。1つ目が積極的な店外での声出しです。これにより通勤通学中のお客様に興味を持ってもらえるようになりました。 2つ目が接客力の改善です。例えば、急いでいるお客様にはすぐお出しできるメニューを提供したり、注文受けから商品のご提供までの時間に目標を決めて素早く正確に提供したりしました。3つ目がチームワークの強化です。笑顔が不足していたので私の呼びかけで常に笑顔を徹底し、さらにその日にあった問題や改善点を、情報共有ノートを作成して、業務効率を改善しました。その結果、お客様が増えて…」
ちょっと、ちょっとちょっと!
待ってください。
面接官はこのようなダラダラ話を朝から晩まで聞き続けるわけです。
彼らは非常に疲労しています。
しかも、手元のESに同じ事が書いてあるのに、なぜまた同じ事を繰り返しているのだろう、早く終わらないかなと思いながら。
あるいは、集団面接で5人居た場合一人目がこのダラダラ回答をしてしまい、5分使ってしまうと、残りの学生の持ち時間が短くなり、自分さえよければいいという思考が垣間見え、協調性に欠けると判断します。
さらに、そんな長い話を聞きながら、評価シートにチェックをしながらなわけですから、話の内容の細部まではいちいち聞いていません。人事ならまだしも、駆り出された現場社員は面接官の素人ですから、なおさら聞いていません。
早く自席に戻って今月の売上達成表を作らないとな
と思っていたり、
顧客のクレーム対応中、早くその対応に戻らなければ(汗)
と思っていたり。
残念ながら、プロとして面接官を担当している人が全員とは限らず、そのような現場社員があなたの人生を左右していることも事実なのです。
ですから、改善できるならば例えば、
学生「はい、飲食店でのアルバイトです。
当初売上低迷が顕著で、なんとか改善したいと考え、主に接客力向上による顧客満足度上昇と、新規顧客開拓を目標にして行動しました。店内や外に出ての声がけや、新商品の積極的なご紹介、迅速で丁寧な対応を心がけ従業員にとも協力して行った結果、前月比プラス110%を達成したとともに、顧客満足度アンケートで高評価を得ることができました。」
程度で構いません。
このあとに、面接官は、
・なぜその目標を立てようと思ったのか
・実際行動してみて苦労した点は
・プロセスにおいて工夫したことは
・他にどんな打ち手を考えましたか
・従業員をどう巻き込んだのか
・新商品提案とは具体的にどうしたのか
など、掘り下げて聞いてくるので、
自分から1から10までESに書いてあることを伝える必要は全くありません。
◆結論ファースト!話は長くて1分、ベストは45秒
話が長いと同様に、聞かれていることに対して結論が最後の方でようやく出てくるケースも多いです。
例えば、
面接官「志望動機を教えてください」
NG例
学生「はい、鉄道は社会経済を動かす重要なライフラインであり、旅客あるいは貨物を輸送する重要な社会インフラです。その中でも、私は学生時代から貴社の電車を利用することが多く、とても身近に感じていました。そして、昨年には新線も増えて都心へのアクセスも向上し、大変便利になりました。それが、私は、そのような貴社で、大学時代に身につけた目標に向けて努力する力を活かして…」
ちょっと、ちょっとちょっと!
待ってください。
面接官は、その業界の志望動機も、その会社へ興味をもったきっかけも聞いていません。
聞いているのは、
「なんでうちを志望しているの?」です。
結論から先に、簡潔に答えて、ダラダラと長くならない程度に自分の特徴も踏まえて1分では長いので、45秒を目安に話してください。
例えば、
学生「貴社の旅客鉄道事業に携わり、鉄道事業の収益向上に尽力したいと考え志望しました。貴社は、日本一の輸送人員数や航路距離を誇るだけではなく、鉄道事業を軸とした生活関連サービスや沿線の街全体の価値の向上に向け事業を展開し地域に貢献されていると理解しています。その中で私の強みである多くの関係者と連携、協力して成果を出す強みを活かし、…」
志望動機は、相手の特徴を端的に半分、あとの半分は自分の強みを伝えて、仕事のどのような場面でどう活かせるのかを簡潔に伝えてください。
長くて1分です。せっかちな面接官は、1分ですら人の話を聴くことと苦痛に感じます。
相手の気持ちや立場に立つとは、あらゆる性格の選考官がいることを想定する想像力です。
結論を先に。そして、話は長くて1分、ベストは45秒で簡潔に要約して伝えてください。
ポイントまとめ
*伝えたいことより聞かれていることを簡潔に
*結論ファースト。ES通りの棒読み禁止
*話は要約してベストは45秒長くて1分
あとは、
明るく、笑顔で、元気に、ハキハキと新卒らしいはつらつさ
で乗り切ってください!
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