今日は、事務職に代表される市役所などの公務員と、大学職員についてです。

 

皆さんは、究極の接客業(サービス業)は何だと思いますか?客室乗務員、ホテルマン、高級クラブやレストランの従業員。

 

どの職業も、素晴らしい感動を与える接客、究極のホスピタリティ精神が求められます。

 

◆行きたくない場所の仕事が究極の接客業

では、できればあまり行きたくない場所、面倒だなと思う場所はどこでしょうか。

 

申請や交付手続きのための市役所、区役所、税務署、法務局。行かざるを得ない状況になった際に出向く警察署、病院などが挙げられます。

 

少しオーバーな言い方をすれば、公務員や大学職員は基本的に好かれません。好かれる、という好意的な関係性を築く場面が非常に少ないからです。

  

◆嫌われる事務職は究極の接客業である

以前のブログ、公務員はつらいよ?民間企業から市役所を目指す人の盲点で営業職から事務職、民間企業から非営利団体への転職は簡単ではないことをお伝えしました。

 

まず、誤解されがちなのが、ただ後方で黙々と事務をこなしていればいいという考えです。

もちろん、住民情報、学生情報を管理するので、事務処理の量は膨大なのですが、職員のもう1つの大事な使命は、その街の、その大学の顔であり、接客業であるということです。

 

これまでに営業職や接客業の経験が無い方は、まずこの窓口対応に非常に苦労します。

 

四方八方からあらゆる要求、要望、相談事が飛んで来ます。ですから、臨機応変で柔軟な対応力、的確に回答できる専門知識の蓄積、そして、どんな罵声やプレッシャーにも耐えうる心のタフさが要求されます。

 

旅でも食事でも遊園地でもない。好きで行く場所では無いからこそ、要求される対応レベルが厳格なものになる。

本当のプロフェッショナルな接客業は、嫌われる現場にあると考えます。

 

そこで、そのような現場で特に必要とされる3大スキルをお伝えします。




①とにかく神経質で細かい性格とリスク回避能力

平易に表現すれば正確な事務処理能力ということです。行きたくて行く場所ではない場所での各種手続きというのは、待ちたくない、出来るだけ早くて帰りたい、という思いはもちろん、ちゃんとやって当たり前、ミスや間違いなんてありえないと思われています。




ですから、そこには特別な笑顔も優しい一声よりも、とにかく早くミスなくやってくれという殺伐とした空気になります。

優しいだけの人や、適当でいい加減な性格の人は、この仕事には向いてません。
一度ミスすれば、相手を大幅に待たせることになるどころか、また来ていただくことになるかもしれないからです。

優しい心や、適当でいい加減な性格というのは、生きていく上では大事な要素なのですが、嫌われる場所の事務職の現場でそれだけでは致命的です。

 

また、新たな企画や発案も皆無です。

100歩譲っても小さな業務改善位で、自分のアイデアを活かせる場面は殆どありません。

新しいことをしようものなら、なにか住民や学生に不利益があってはなりませんから、どんなリスクが起こるのか最後の最後まで考え抜いて、やはりその発案は取り下げよう、ということもザラです。

 

ミスなく迅速・正確にというのは、言い換えれば徹底した神経質さと細やかさ。そして、徹底してリスクを回避して余計なことはしないことです。

 

 

②柔軟性と愛嬌と知識を持つ人

市役所職員や大学職員は、住民と市議会、学生と教授会をつなぐ窓口であり架け橋です。

 

先ほど、あらゆる方向、四方八方から要求・要望が来るとお伝えしましたが、1つの事務作業を黙々とこなしていればよいのではなく、周りを見渡しながら、優先順位をつけて取り掛かる対応力が要求されます。

議会の市議から、突然あと1時間以内に会議で使う資料301,500枚を差し替えて欲しいと言われ、全て刷り直すかたわら、突然窓口で話の通じない方との対応に迫られ時間を30分、40分と奪われます。もう資料差し替えには間に合いません。
 

そんな中で、周りの方にヘルプを出しながら、カウンター越しの住民を迅速になだめて理解を得て、市議の懐に飛び込み締め切りを伸ばしてもらう。

 

その際には、住民の方に理解・納得していただくための膨大な専門知識と対話力、周囲の同僚や議会にお願いを駆けずり回り、頭を下げられる愛嬌と、助けたいと思わせる力。

 

これは、公務員や大学職員に限られませんが、ぎりぎりまで自分で頑張って、出来ない時は周囲に顔を出して適切なヘルプを出せるバランス力が重要になってきます。

 

また、ずっと執務室、庁舎内に居るので、内向き文化です。嫌われたらすぐに噂が広まって終わりますので、職場内の友好関係を築き、柔軟に立ち回る対応力が要求されます。




 

③飽きっぽくなくて、没個性に耐えられる人

堪え性のない人は向いてません。我の強い人も無理です。

個性的な人、表現力の高い人は、基本的に自分が主役になりたい傾向がありますが、事務職は完全に脇役です。主役は、住民であり、学生であり、市議であり教授陣です。

同じ作業を飽きもせずに継続的に淡々とミスなく進めることが求められます。5万枚が5万枚あるか。11と記載されているか。期日は守られて提出されているか、など。

堪え性がなく飽きっぽい方にはこの上ない苦痛の業務です。

 

以前もお伝えしたように、厳格な手続きや規則、条例、ルールに則って業務を進めるからこそ信頼が担保され、社会生活が保たれています。

ですので、
例外はありません。おまけもありません。今回だけは特別に、もできません。

 

誰が受け答えしても同じ対応=公平性

 

だったらロボットか発行機でも置いておけばいいではないか。と愚痴や文句や陰口を叩かれても、信用・信頼の獲得と公平性の観点から、これは仕方ありません。

ロボットよろしく、ただただ淡々と、冷静に、かつ相手を怒らせず理解・納得を得る。




自分の代わりなんていくらでもいる。




正確・迅速・精緻なロボット的業務が要求されるため、究極のホスピタリティやハートウォーミングな出来事は殆どありません。

こんな誰がやっても同じ仕事、機械にでもやらせればいいじゃないかという効率的・合理的で個性を大切にする考えの人には非常にストレスフルな現場です。

 

個性を殺し、やるべきことを淡々とこなせる人。

 

自分の代わりなんていくらでも居ると本気で思える人。




これは、ネガテイブにとらえているのではなく、
本当にプロフェッショナルな究極の接客業とは、厳しく、冷たく、没個性の中で嫌われても嫌われも粛々と進める仕事の中にあると考えます。それできる人は、紛れもなくプロ
と言えます。




どんな仕事も覚悟が必要です。




今一度、自分が求めている仕事の中身、業務内容をじっくり推敲してください。

 推敲してください。