◆出会いはある日突然に
「うわ〜超美人、惚れてまうやろ…」
「ヤバ、超絶イケメン、この会社素敵」
企業セミナーやOBOG訪問を進めていくと、色んな社員に出会います。
人と人なので、瞬間的に好き・嫌い・得意・苦手が感情として生まれるのは当然です。
そんな中で、今日お伝えしたいのは、「人」に惚れて企業選びをすることのリスクについてです。
◆惚れたあの人はどこへ消えた?
企業セミナーやOBOB訪問で登場する社員には大きく3パターンあります。
1.人事選りすぐりの優秀社員(見た目含む)
2.人事の素敵なお兄さんお姉さん
3.自分のツテを開拓して出会えた社員
基本的に1と2がそのほとんどで、出会う人出会う人、人間的にも外見的にも魅力に溢れている人ばかりです。
話も達者で明快、笑顔も爽やかで優しく、なによりとっても話しやすい。
人事から厳選されて任命されたキラッキラのお顔スキルも高い優秀社員なわけですから、人間的魅力に溢れていて当然です。
人を見た目や雰囲気、外見だけで判断してしまうと、その企業の「顔」がその人の顔だと脳がエラーを起こし、実際にするべき仕事が自分に全く合っていないのに、勝手にどんどん志望度が高まっていくケースは少なくありません。
しかし、そんな社員は、あなたが実際に配属される部署や職種の中にどれだけいるかは分かりません。
入社後、その人事のお兄さんお姉さんや、全国トップクラスの優秀社員と一緒に働く可能性は低く、現実はもっと地味で単調な作業の繰り返しかもしれません。
企業選びをする際に、「人」や「風土」をその判断基準にすりことは重要ではあります。
ただ、間違えないでいただきたいのは、その「人」そのものに「惚れる」という意味ではなく、このような考え方や働き方の軸や価値観を持つ人たちの集まりの会社であれば、自分の適性としても無理なく馴染めそうだ、という観点で見てください。
「人」そのものに惚れるのはリスク大です。
では、実際にお会いした社員、特に採用担当である人事ではなく、出会えた現場の社員の方々から、なにを察し、なにを伺えばよいかおさらいします。
◆社員訪問・OBOG訪問のポイント!
学内セミナーや自社セミナー、OGOG訪問や、社員との交流会など、今の時期は多種多様な社会人と出会い、話せる絶好の機会です。
説得力のある志望動機を伝えられるようになるためにも、1にも2にも、「業務内容の深い理解」を目的としてください。
目的は、「出会うこと」ではありません。
「話して疑問を解決し仕事理解・業務内容の理解を深めること」です。
では実際に、相手(社員)からなにを読み取り、なにを聞けばよいか。
簡単に分けると言語と非言語(ノンバーバル)から読み解きます。
説明の便宜上、非言語から説明します。
<非言語>※目から入る情報
・その方の身だしなみ、表情、所作に違和感がないか
人は見た目が9割という本がヒットしましたが、応募者の身だしなみや第一印象が相手にチェックされているのと同様、評価者も応募者によってチェックされています。そう、あなたは、評価者なのです。
現場社員は、日々の業務で疲れている中、採用で借り出されているケースが多く、つかれきった表情の社員は居ます。ただ、それだけでNG企業なのかというとそうではなく、挨拶もなくぶっきらぼうに話し出したり、態度が横柄であったり、面倒くさそうだったり、ずっと腕組をしていたり、気になる点はメモしていても構いません。
相手は人事から任命された評価者ではありますが、応募者も社員の評価者です。企業の代表として、顔として対応しているのに、だらしない服装や疲れきっているどころか、腕くみされたり貧乏ゆすりされたりした時点
で違和感を感じたら、あなたの適性とその会社は合わない可能性があります。
・挨拶
・表情
・所作やたたずまい
・身だしなみ
あなたが相手の評価者になったつもりでチェックしてください。
<言語>※話の内容から入る情報
・第一印象に惑わされるな。仕事の中身を徹底して聞こう
見た目や第一印象がよいと、恋愛の運命的出会いのようにそれだけで一目ぼれしてしまい、情実的に相手(社員)や企業のなにもかも大好きになってしまうことがありますが危険です。
第一印象がよいに越したことはありませんが、先述したように、あなたはその方と同じ部署で働くわけではありません。目的は深く適切な業務理解ですので、仕事について徹底して深りして聞いてください。
その際、自分が丸腰で、なにも調べもせずに手ぶらで訪問しても無意味です。価値のある有効訪にするためにも、自ら仕事の流れや中身に対する仮設を立てて、それを検証するために疑問や仮説が正しいのか確認するために訪問・質問してください。
・私は、〇〇業界の〇〇職については、〇〇や〇〇力の高い人の適性が高く、活躍可能性が高いと想定しているのですが、正しいでしょうか
・私は、〇〇業務を進める際には〇〇や〇〇という場面に遭遇すると考えていて、その際には〇〇や〇〇が求められると考えておりますが、実際にはどうなのでしょうか。
というイメージです。
自分の考えや漠然として想定を明確にするための仮説検証作業をしてください。
では、具体的になにを質問すべきかおさらいします。
1.これまでのキャリア(入社後の経歴について)
2.現在の仕事内容について
3.現在の仕事で要求される能力について
4.業界や企業ではどのような人材が活躍できるのか
5.入社前との入社後のギャップについて
6.これまでの業務で最も大変(苦労)した出来事について
7.これまでの業務で最も辛かった状況や環境について
8.志望動機や他社との違い(自社の強み)について
9.入社前までに身につけたおいた方が良いスキルについて
10.今後の目標や夢、キャリアプランについて
11.どんな社風や風土だと認識されているか
これだけ詳しく聴くことができれば、あなたが自己分析をした結果発見したあなたの強みや良さとマッチングすることができます。(自己分析の深化)
また、業務で遭遇する状況や要求される能力を知っておけば、そこにあなたの強みを発揮できるか、活かせるのか、すなわちその業界やその職種に
自分の適性として向いているのか把握することが可能です。
さらに、競合他社と自社との違いや自社の強み、また今後のビジョンを聞くことで、あなたが志望動機を組み立てる際の説得力のある文字や言葉へと反映させることができ、キャリアプランも明確に描けることができるでしょう。
また、社風や風土については、同じ企業で何人かに会えば、「共通して出てくるワード」が見えてきます。ガツガツ、穏やか、のんびりしている、個人プレーの人が多いなど。キーワードでつなげていき、自分の価値観と照らしあわせてみてください。
以上です。
入社後、人に惚れて決めたから、ミスマッチが起きてしまった!とならないように、人の言語・非言語を見抜き、深く理解する力を今から蓄積していきましょう。