企業説明会で人事が、
「就職は結婚と一緒です。入社から定年までずっと働く企業探しが大事です」
とか
「これから何十年も勤める会社なので、自分が共感できるところに入社しましょう」
と言っているのを聞いた方は多いと思います。
本当にそうなんですかね!?
現在のような変化の激しい時代に、何十年も先のキャリアを見通すことなんかできないと思いませんか。
会社はあなたの人生は守ってくれません。
だからこそ、入社したら目の前の仕事に没頭しながら、自分が食っていけるような専門性を身に付けていくぐらいでいいと思います。
会社としては、社員に骨をうずめるつもりで働いてほしいのが本心なのでしょうが、そこで働く社員からしてみれば、本当に骨を拾ってくれるの?というのが正直なところです。
企業を選ぶ際に得にくい情報ではあるのですが、平均年齢と年齢構成を知っておくといいでしょう。
いま日本で歴史ある企業は平均年齢が40歳以上だと思います。そして、年齢構成は逆三角形になっているのではないでしょうか?
おそらく今の役職者と、あなたが入社する年次では人数に大幅な開きがあるはずです。
・自分たちは、彼らと同じぐらいの若い年齢で昇進できるのでしょうか?
・彼らが定年した後も、今の会社は安泰でしょうか?
いまは大企業であっても簡単に倒産したり、大幅な赤字を出してしまう時代です。
ソニーやSHARP、東芝の状況をみていればわかると思います。
東京電力のような、絶対安定と言われたインフラ企業ですら、震災後は最悪の状況を迎えました。
一斉風靡したmixiは、モンスターストライクのようなヒットコンテンツがなければ、相当経営は厳しかったでしょう。
そして、10年前は、facebookもtwitterといったSNSもありませんでしたし、インスタグラムはたかだか5年ぐらいの歴史です。
今後も、様々な企業が買収や合併で業態が変わっていくでしょう。
採用時にあなたに対して、素敵な未来を約束してくれたはずの人事は、いつの間にか転職してしまっているかもしれません。
ですが、悲観的になろうという話ではありません。
変化の激しい時代だからこそ、熱狂はほどほどに冷静に世の中をとらえていきましょう。
一つの会社に過剰にコミットするのではなく、自分がどのような働き方と能力を培っていきたいかを考えることは非常に大事です。
では、変化の激しい時代に求められるのは何か?
資格や習得した知識では十分ではありません。
変化が激しいということは、常に知識をアップデートし続ける必要があるからです。
資格を取得したことに安住し専門的な知識をアップデートしていない人は、そのうち陳腐化していきます。
それよりも、短期間でクイック・ラーニングできる学習能力がある人の方が、変化の激しい時代には求められるのです。
今後はどの業界でも変化のスピードが速くなっていきます。
働く側(雇用される人)も、一つの環境でできることの限界に気づき、より抽象度の高い能力(上の例でいえば、知識よりも学習能力)を身に付けることが、この厳しい世界で食っていくために重要といえます。
目の前の仕事だけではなく、それが競合や他の業界でどのように役立てられるか?
今いる業界やこれから目指す企業の未来とセットで、考えてみてはいかがでしょうか?