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人事はどこで学生のジャッジに「差」をつけるのか  

 

華やかで目立つエピソードがないということでES作成に悩んでいる学生が多いようです。

 

◆そもそも目立つエピソードなんて「本当に」不要
 

マイナスなことを書いたら減点されるのではないか

こんな低い壁も乗り越えられないのかと思われるのではないか

そんな理由から、どうしてもエントリーシートの自己PRや学生時代に頑張ったことについては、みんなが皆、成果や結果を誇張した「自慢大会」になりがちです。

 

確かに、取り組みに対する結果がどの程度のものだったのかは大切です。

どんなにプロセスで頑張ったことを書いても、結果がそこまで大きな成果でなければ、印象に残らないですし、どれも似通った話になってしまうということにもなります。

 

ただ、だからと言って人事は、「自転車で日本横断した」ですとか、「世界をバックパッカーして野犬に追いかけられた」のよいたや目立つ(目立とうと意識する)エピソードが聞きたいわけではありません。

 

「他者との差別化」は必要なのですが、差別化が目的化してはいけないのです。

 

◆結果までの行動事実が大事

結果や成果だけを目立たせて差別化するこが目的になってはいけない。

大切なことは、結果に至るまでの「取り組みの姿勢」なのです。

つまり、過去の行動事実=過程(プロセス)において、どのような考えで、どのように創意工夫をしながら試行錯誤を繰り返し、打ち手を練って壁や困難を乗り越えたのかという「どのように」という部分を知りたいのです。

 

・結果よりもプロセス(行動事実)

 

・課題に対しどう考えどう行動したのか

 

・試行錯誤を交え時系列で順を追って

 

書いてください。

当初の課題が3つ4つある場合でも、字数制限400字前後が多いため、最も課題と感じていたものだけ1つに絞って、 
 

・その課題に対してまずなにを考え実行したか

・その結果どうなったか

・その結果を受け、次にどんな打ち手を取ったのか

・さらにその結果どうなって、それを受け次はどのように考え行動したのか

 

 

 

この試行錯誤のプロセスを、PDCAサイクルを回しながら改善を意識し取り組んでいる姿勢を示すことが大切です。

 

となると、アルバイトやサークルでごく一般的な大学生として過ごして来た大学生を、企業人事はどうジャッジするかという点についてですが、結果もさることながら取り組んだ「行動のレベル」をランク分けします。

 

このことについては、過去のブログにも詳しく書いています。

 

参考

あなたの自己PRはどこがイマイチなのか?

 

目立った肩書やエピソードより大事なこと

 

受け身姿勢で成果を出せなった、あるいは指示待ち人間で言われたことしかできなかったといった、

「低い行動レベル」の人は、評価されない、あるいは評価が低くなります。

 

逆に、主体的に考え行動し、改善を図りながら高い成果を出したような行動レベルの高い人は、入社後においても活躍可能性が高いと判断され、評価は高まります。

 

◆野球で全国制覇とコンビニのアルバイトはどちらが上か

ここでとある学生の事例を出します。

 

*体育会野球部に所属し大学野球で全国制覇を成し遂げたA

 

*特に目立つこともせずコンビニバイトをしていた普通大学生B

 

この時点で、自己PRや学生時代に頑張ったことを簡潔に400字で書いてくださいとなった時に、どちらが行動事実における行動のレベルが高いかというと、結果だけ見れば全国大会制覇を成し遂げたA君のレベルが高そうです。

 

しかし、面接で話を掘り下げて見ると・・・

 

面接官「 まず最初に何を取り組みましたか? 

 

A君「監督の練習メニューに従いました」

 

面接官「 取り組む上で、何を考えましたか? 

 

A君「特になにも考えず監督を信じてました」

 

面接官「 その次に、どんな行動とりましたか?」

 

A君「とにかく監督の指示に従い練習しました」

 

面接官「 他に工夫したことや自分なりに考えて取り組んだことはありますか? 

 

A君「いえ、特にありません、ひたすら監督の言う通り実行しました」

 

 

このやりとりを見ていると、A君は監督の指示にただ従っていただけで自ら主体的に考え行動したという事実がありません。

結果だけ見れば全国制覇で行動レベルは高いですが、本人の工夫や独自の打ち手や試行錯誤が全く伝わらない(というかそもそも無い)ので、評価は低いです。

 

それでは、コンビニバイトB君の様子を見てみましょう。

 

面接官「 まず最初に何を取り組みましたか? 

 

A君「丁寧で的確な接客に取り組みました」

 

面接官「 取り組む上で、何を考えましたか? 

 

A君「顧客満足度を高めようと考え、常連客50名の名前を全て暗記しました」

 

面接官「 その次に、どんな行動とりましたか?」

 

A君「一人ひとりの要求に言われる前に応える行動を取りました。例えば、いつも同じ銘柄のたばこを買う常連さんにはレジに来た時点ですぐそのたばこをお出ししたり、いつも急いでいる常連さんには15秒以内にレジ打ちから袋入れまで徹底したりするなどを実践しました」

 

面接官「 他に工夫したことや自分なりに考えて取り組んだことはありますか? 

 

A君「購買行動の把握です。例えば常連のお客様でいつも特定のジャンルの商品をご購入していた場合、その方の購買行動を覚えておきます。そして、次回以降は、その該当ジャンルに新商品が出た際にはお客様の様子を伺いながら、不快にならない程度に私からお声がけして新商品情報をお伝えしていました。」

 

Aさんは、コンビニの売上向上のために、顧客満足度を高めようと目標に掲げ、その目標に向けて主体的に考えて行動しています。

「コンビニのアルバイト」という差別化のできなさそうなエピソード(行動事実)であっても、その中の取り組みにおける独自の工夫や、問題や課題に対する打ち手を練った行動や、その結果に対するさらなる次の一手を取っていく試行錯誤の繰り返しは、行動レベルが高いと評価されます。

 

以上のように、他者と差別化するために、目立つエピソードで伝えなければという思い込みは排除して、普段の行動事実に潜む自分らしい行動、自分ならではの工夫や改善という行動事実に目を向けて、詳しく伝えていくことで、行動レベルの高さを読み手・聞き手に伝えてください。