5大商社を目指す人も、その財閥(非財閥)の無数にあるグループ企業を目指す人にも、
今日は「肩の力を抜いて」読んで欲しいです。
総合商社それぞれ、同じようなことをしていても、戦略、取り組み方、性格特性が違います。
業務内容はもちろん、企業戦略や投下資本の分野、比率、利益率などは他のブログにもたくさん材料があるので、
今日は
「企業の性格と自分の性格がマッチするか」という視点で書きます。
身近な人を思い浮かべながら読み進めると面白いかもしれません。
◆三菱商事
〜文武両道の分かりやすい優等生〜
世界が認めるスリーダイヤのブランド力たるや、他の商社の比になりません。
日本と言えば三菱やトヨタ言えるほどの圧倒的な知名度なので、誇り高く生きています。
簡単に言えば
ものすごく仕事に対するプライドが高く、三菱という看板に対する自意識の高さが異常です。
ハマれば天国、ハマらなければ地獄。
組織力の高さと言えば聞こえはいいですが、上意下達の絶対的な主従関係が、官僚的と言われるゆえんでしょうか。
ハマる人は、自意識が高く、分かりやすい1番を目指し、またこれまでも1番(や先頭集団)で生きてきたことに存在意義を感じる人です。
悪く言えば、
「ちゃんと人を見下せる人」。
言葉が悪いのですが、誇り高く生きるということは、相対的に自分を優位な立場に置くことほかなりませんから、
バッサリ切る、見下す、優等生である自意識がアイデンティティ。
そんな方にはどハマりしますが、業務効率は悪いです。
稟議書のハンコ欄が10個以上並ぶことも…。決済スタンプラリーです。
頭もよくて、スポーツにも長けて、おまけにお顔スキルも高い、というのは冗談ですが、誰もが納得の人間的魅力に溢れてる方が毎年採用されます。
冷徹さもバランスよく兼ね備えた文武両道の優等生はぜひ。
◆三井物産
〜手の内を明かす裏表ない体育会〜
三井の商人の気質は、簡単にふところ事情を明かすことなのかなと思うほど、手の内や戦略をワザと明かしてきて、
あっという間に相手のふところに入ってくるのが特徴です。
周りにも居ないでしょうか。
遠慮や配慮、気配りよりも、言葉悪く言えば「相手の心に土足でズカズカと入ってくる」タイプ。
まさに、その本質が三井グループの特徴であり強みです。
攻めの姿勢を崩さずに、笑顔で元気に相手をやっつける。
行動量がハンパないです、それから圧倒的なチームプレイ。個人の裁量の高さよりは、
なにごともチームで物事をやっつける性質を持っているため、団体スポーツをやっていた方には比較的ハマります。
それから、三菱グループを常に意識しているため、
「あそこ(三菱)は堅いからね〜」と
平気で恥ずかしい事を言います(笑)。
採用面接でのテクニカルな話をしますと、あらゆる財閥・非財閥の中で、
唯一「御社の決め手は人です!!」と言っても、受け入れられてしまうのが三井です。
三井グループは銀行も商社も不動産も、
最後は全部「人」で押しきってくる。
世の中そんな単純なものじゃないでしょと彼らも内心分かりつつ、それがブランディングとなってしまっているのが実情です。
◆伊藤忠商事
〜出し抜こうとする戦略野武士〜
非財閥の雄として、近年勢いのある伊藤忠商事。
グループ各社も、かなり強気で元気なタイプが多いでのは皆さんもご存じかと思います。
伊藤忠グループは、語弊を恐れず言えば、
「三井グループには無いズル賢さ」があります。
明るく元気!であればイコール三井なのですが、伊藤忠はそこに「賢さ」や「打算」が入り込みます。
よく言えば非常に戦略的です。
人付き合いも三井ほどズブズブでは無く、ある程度距離感や間合いを取りながら近づいたり離れたりします。
利益追求に対するマインドが圧倒的なので、ある意味で事業も人もメリットデメリットをその嗅覚で嗅ぎ分けて関わり度合いを計るといったところ。
すごく悪い人に聞こえますが、インテリジェンスに、スマートに仕事をしていく上では当然の資質だと思います。その点においては三菱にカルチャーは近いのですが、
伊藤忠がすごいのは「土下座(文化)」です。
三菱はそのプライドから、土下座する位なら切腹ぐらいの誇りで生きていますから、頭を最後まで下げません。
伊藤忠はビジネスパーソンとして完全に割り切るため、「土下座力がハンパない」です。普段から謝罪行脚しているという意味では無く、
個々が裁量高く、一人一人が経営者のマインドでビジネスに向き合っているからこそ、成果のためなら時として土下座でも逆立ちでも何でもします。
頭が良くて、ふんぞり返るだけではない「狡猾さ」と「カメレオン的態度」が、野武士集団 と言われるゆえんでしょうか。
◆住友商事
〜真面目で堅実な仲裁調整役〜
優しいです、すごく優しい。ハートフルで思いやりがあって真面目。
5大商社の中では、最も思いやりがあるのが住友グループです。
ビジネスは堅実、石橋は叩いて渡らない時も多々あると揶揄されるため、
大きな利益を得られない変わりに、川下の小売や通販含めニッチをまんべんなく拾っていき、コツコツと利益を重ねるタイプです。
元来、関西発祥の住友グループは、三井の商人的な「どやさ感」「グイグイ感」も出ている人は出ていますが、一人一人をきちんと見ていくと、三井グループほど「チームだ、仲間だ、グループだ!!」とは言いません。
個人の力を信じ、決して無理はせずに、取りこぼしなく仕事を着実に積み重ね成果につなげるというタイプには風土はマッチするかと思います。プライドもそれなりに高いです。
攻めの姿勢においては、三井や伊藤忠には敵いませんが、
ほどよい冷静さと、ほどよい商人(あきんど)感覚があるので、丸紅で物足りない(失敬)人には住商はオススメ。
ただ、都市伝説程度に聞き流して欲しいのですが、採用シーンを10年見てきた感覚から言うと、「顔採用」色が1番強く出てます。
怒られちゃいますけれど、この人なんで採ったの?ってゆう時に、男女共に容姿を見て納得させられた事が何度もあります、都市伝説ですが。
それから、
もめ事が発生した際の仲裁や仲介、調整役に長けているのも住商の特徴。
旅行に連れていくなら、絶対に住友グループの人がオススメです。特に仲間割れしそうな3人組の旅行に、住商が入れば盤石です。口論が始まりそうな居酒屋のシーンにも居てほしい。
◆丸紅
〜成果にこだわる変わり者〜
変です、全てが変。
変わり者が多いから、おもしろい戦略も取れるのかも知れませんが、
5大商社の中では最も謎な人がたくさん集まってます。
伊藤忠と袂を分かった沿革や、旧安田財閥の芙蓉グループ、つまり現在のみずほグループが経緯でもあることから、変わり者を採用しているなという印象。
「みずほが絡むといつもそう」
というコーポレートメッセージをいつか誰かが作ってくれないかなと思うのですが、色々と混ざっていてなかなかカルチャーが融合しない印象です。
ただ、言えることは、
変わってはいるけど、真面目で仕事はきっちりやるタイプです。
教室でグループの中心やリーダーではないけれど、理由は分からないけど、なぜかその人の周りには人が集まる感じ。
周りにいませんか?つかみどころが無いけれど、魅力のある人。
勉強なのか、スポーツなのか、お笑いセンスや容姿なのかは分かりませんが、ひいでたものを持っていて、けれどそれをうまく表現できないけれど、周りはその人の魅力や良さに気づいている。
つまり、周りから
「あの人変わってるけどなんかおもしろいよね」
「あの人変わってるけどなんか頼っちゃうよね」
という人がカルチャーフィットすると感じます。
ある意味で、1番「伸び代がある」のかも知れません。
採用側が変わってるので、採用される側も変わってる人が多い。
「一芸採用」をしたらいい人材が最も集まりそうなのが丸紅です。
しっかり成果に対するコミットもします。だから人が周りに集まるのかも。
丸紅だけ、「こんなカラーです!」と一言で言いにくいです。
みずほがからむといつもこうなんです。
これ以上は怒られますので、そろそろお開きにしたいと思います。