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てゆうか、スキル以前に嫌われたら仕事になりませんよ

◆人材紹介会社(転職エージェント)のリアルな現状 

人材紹介会社・派遣会社には、日々たくさんの求職者の方々が登録にやってきます。

事情はともあれ、仕事を探している、転職を考えている、という方々です。

 

基本的に、これまでの経歴やスキルについてヒヤリングを行う面談者のことをコーディネーターと呼び、コーディネーターは登録者本人と面談した内容を、自社のデータベースに新規登録して打ち込み、ヒヤリング内容のログを残して、本社のみならず、全国の支社でも見られるように、情報の共有をします。

 

そして、登録者が希望する条件とマッチする求人情報があれば、随時お仕事を紹介していく仕組みであることは皆さんもご存じかと思います。

 

登録者に対しての面談や定期フォロー(最近のご状況はいかがですか?まだお仕事は探していらっしゃいますか?等)は、基本的にはコーディネーターが行います。これを状況確認と言います。また、人材紹介会社のほとんど完全分業体制をとっていることが多く、登録者が登録面談を終えた後は、 営業に引き継ぐ(バトンタッチ)という形式が多いです。

 

営業は、登録者の情報を基に、自分の抱えている既存顧客の求人とマッチする人材かどうか見極め、コーディネーターから本人の属性や性格的な特性・気になった点などのヒヤリングを行います。

人材紹介会社によっては、コーディネーターと営業の完全2ペア体制をとっている企業と、チームごとに切り分けて、1人のコーディに対して3名~4名程度の営業とタッグを組み、人材と求人のマッチングを行います。

 

成約率を高め、成功報酬を得るために、このマッチングに心血を注ぐわけですが、マッチングと言えば聞こえは良いですが、簡単に言えば、「当て込み」です。

人材の希望や性格特性なんて気にせずに、とにかくどんどん求人を紹介して、何か引っかかればラッキー位にしか考えていません。

人が好きな人は人材業界に向いていないと言われるゆえんはここにあります。1人ひとりの人生を背負っているとも過言ではないことを仕事にしている割には、その登録者の立場や心境に立つことはほとんどなく、数打ちゃ当たるで決まったら儲けもん、位にしか考えていなからです。

本当に、1人ひとりの人生に向き合いたいのであれば、そのような対人的なボランティアか、NPO法人や大学職員などの非営利団体で働くことを勧めます。

 

◆人材紹会社の「花鳥風月」ランキング

とある人材紹介(転職エージェント)会社では、登録者と面談終了後、その情報をデータベースに残す際に、人物評価を花鳥風月で残します。

誰にでも、どこの企業にも自信を持って紹介できる圧倒的な対人コミュニケーション能力に加え、経験やスキルも豊富、という方は、100人に一人位のレベルで花鳥風月の「花」が付きます。この人材は、社内で取り合いになります。なんせ、「花」評価になる人材は、1年に数回出るか出ないか、位の貴重な存在だからです。

 

経験もスキルもあって、人物評価は取り立てて、可も無く不可もなく、普通にコミュニケーションが図れる人材のほとんどが、花鳥風月の「鳥」評価になります。全体の登録者の5割以上がこの鳥評価となり、花評価者はもちろん、鳥評価者も、比較的求人は紹介しやすい分類となります。

 

コーディネーターが登録者と初めて面談行う前か評価は始まっています。まず、ネットや電話で登録日を予約しても、その予約をころころと変えてる、ドタキャンと予約を繰り返す、道案内をしても一向に理解してくれない。受付での対応もどこかたどたどしく不自然な挙動や言動がある、などです。このような情報は、面談前からすべてのコーディネーターと営業に情報が共有されます、 「この人、ちょっと変わってるかも」といったように。

 

そして、面談の際も、そもそも職務経歴が浅かったり、活かせる能力やスキルを持っていなかったり、という「キャリアの面での不利」は、求人紹介する際にネックになります。しかし、これは、性格や行動特性といった性格面の評価と切り分けて考えているため、どんなにキャリアが浅くとも、真面目で誠実で素直さがあれば、花鳥風月の風ではなく「鳥」評価になります。

 

花鳥風月の「風」評価になってしまう人は、どんなに素晴らしい経歴やスキルを保持していても、基本的なコミュニケーションが取りづらい、挙動不信、質問されたことに対して簡潔に答えられない、体が動く、そわそわしている、メンタル面で心配な過去がある、といった性格面、行動特性の面でアンダーランキングされてしまいます。「風」評価になってしまう人は、全体の23割程度です。

 

そして、残りの1割弱に分類されてしまうのが、最も人物評価の低い、花鳥風月の「月」ランクの登録者です。特徴としては、我が強すぎて、こちらの言うことに全く耳を傾けようとしない、クレーマー気質で、他の人材紹介会社でも取り扱い不可のブラックリストに掲載されている、完全に コミュニケーション不全に陥っており、全く話ができない、強烈な不衛生・不潔感、素晴らしいキャリアとスキルを持っていながら、非常に短期間で職を転々としている(これはヒヤリングによって評価が変わります)、過去に紹介先企業で法律に関わるトラブルや、無断欠勤などの重大な過失を犯し、受け入れ先の企業に多大な迷惑をかけている(派遣終業の場合)などです。

このような人材に、仕事の紹介は永久にかかりません。

 

◆大前提は、素直で誠実で真面目であること

言葉では簡単に言えますが、これを行動できちんと体現できている人は少ないです。

 

どんなに誇らしいキャリアや経歴を掲げていても、人が人と共に協力して仕事を進めていく以上、最低限のコミュニケーション能力や、チームワークができなければ話になりません。それに、自分ができると自信を持つことは大事ですが、周囲を見下す、自分が認められないのはその会社のせいだ、社会のせいだと、他罰的な考えで自己顕示欲が異常に強いとなると、一緒に働きたいとは思いませんし、紹介する側の立場であるコーディネーターや営業も、紹介に躊躇してしまいます。

 

誰かになにかを頼ろうとするなら、周囲に助言や指導、アドバイスを得ようとするならば、自分の弱い部分も含め、全てさらけ出す勇気と、謙虚な気持ちで素直に相手に接することが寛容です。本当に自分が正しくて、人の助けも不要だと考えているのであれば、それは個人の生き方として尊重しますので、堂々と孤高の転職活動をすればよいのです。

 

話を聞いているにも関わらず、距離感を保ちながら話そうとしたり、なにか重要な事実を隠そうとしていたり、連絡先を訪ねているのに、それは教えられないと個人情報を最後まで隠されたり、自分の希望だけをひたすら貫かんとしようとして、妥協を許さなかったりする姿勢は見上げたものです。

しかし、その態度や姿勢、マインドを崩さないで良い転職、理想の企業を探そうなんて虫が良すぎます。胸襟を開いて、素直になり、自分が思っていること、不安なこと、悩んでいることなど全ての心を開いて話してくれなければ、紹介できます。そして、腹を割って話す、とまでは行かずとも、互いにビジネスパーソンとして、相手の心中を察し、尊重しながら、真剣に、真面目に語り合うことが大切です。

 

 

 

◆好かれずとも嫌われる必要は無い

どんなに口先では綺麗事を並べても、人間の本質・本性は細部に宿ります。

 

「是非、私にお任せください!」

 

と言い放っておきながら、その日のうちにお礼メールもよこさない人は、きっとその後の対応もおざなりで、進ちょくの報告や起点報告もできない事でしょう。その方には、もう二度とチャンスも無ければ新規発注も無いです。

 

素直、真面目、一生懸命、誠実、謙虚、日本人のいいところが詰まっているのが新卒です。

 

その気持ちは社会人になるとどんどん狡猾になり、ずる賢くなり、手を抜く手段を身につけていきます。

 

あんなに真っ直ぐで曇りのなかったまなざしが、いつの間にか曇り、クセが強く、自分の考えに固執し、相手を見下し、プライドが高く、自己顕示欲が強い人間になってしまう事も。




なにがあったのかは知りませんが、お客様に対して「ありがとうございます」も言えないコンビニの店員にはなりたくないですよね?

 

自身のプライドを保つことは1つの自己防衛にも近い感覚を感じますが、それはそれでその方の個性なので否定はしません。

ただ、人材紹介会社の立場からすると、はっきり言ってその高すぎるプライドは、その人自身にブラインドをかけてしまい、その人の良さを引き出すことができずに非常に「扱いづらい人材」となります。

 

時には、心のブラインドを自ら胸襟を開くように上げて、なんでも相談して欲しいと思います。そして、自分の不完全さを思い知ることから、前に進むこともあるのですから、心配なことや不安なことは、開けっぴろげに話した方がご自分のためになると考えます。

 

仕事を紹介する場面だけではなく、職場においても、運よく希望の企業に入社・転職できたとしても、心を通わせ合い、互いを尊重し合い、信頼しがならチームワークで仕事をしていかない限り、良い仕事はできないと思いますし、相手もその人に不信感を抱き、警戒することでしょう。

相手は自分の合わせ鏡だと思って、まず自分から素の自分で当たっていく勇気と、余計なプライドを捨て去る覚悟を持って取り組めば、自然と手を差し伸べてくれる同輩や先輩も出てくるのだと思います。

 

別に、好かれるようにわざとらしくこびへつらって振る舞う必要はありませんが、あえて嫌われる必要も無いと思います。

人同士が完全に分かり合うなんてことは土台無理ですし、合わない人も嫌いなタイプも居ることでしょう。ですから、それらは踏まえながらも、最低限、協力すべきところは率先して協力し、自分が身を削ってもチームを助けるマインドは、年に23回位は持ったとしても、そこまで強い心労にはならないと思います。

 

適度な距離感は保ちながら、互いを尊重し、自分の我の強さは抑えながら、チームワーキングで乗り越える。

 

そのような人材であることが、物凄い経験やスキルを持ち合わせた人材よりも、少なくとも日本企業を前提として企業への転職活動においては要求される前提の人間力なのかなと感じます。

 

 

とはいえ、人に頼る事や素直になる事が元来苦手な方もいるかと思いますので、気兼ねなくご相談ください。