これまで、中小企業へ就職する際のメリットや企業選びの考え方等をお知らせしてきました。
今回は中小企業でのキャリア形成について触れたいと思います。
上記のエントリーでも書きましたが、中小企業の中でも、100名できれば150名以上の従業員がいれば、お互いの顔がみえる風通しのよいサイズの会社であり、指示命令系統がわかりやすい、かつ仕事が合わない時は異動できる規模感というところが特徴です。
では、これらの企業においてのキャリアとはどのようなものでしょうか。
◆中小企業は成長が早いのか?
結論からいえば、早いです。きっと早く成長できるでしょう。
入社後の研修は、ゆっくり数か月ということはなく、1ヵ月以内ですぐ配属となります。
そして、大企業であれば、丸2年ほど先輩社員と同行して仕事を覚えるようなフェーズは、中小企業にはありません。
規模が小さいということは、実践重視、即戦力となるように求められる部分はあります。すぐに、自分の現場を持ち、顧客との交渉や大きな契約以外は、全て任せられる場合もあります。
このような経験を繰り返していく中で、新入社員から1年も立てば、複雑な仕事や難易度の高い顧客との交渉以外、自分ひとりで対応できるようになります。
◆このスタートダッシュが実は魅力
こうして、20代半ばから後半を迎える頃には、同世代と比べ、かなり大人びた考え方、商売の全体感を知っている魅力あるビジネスパーソンになれるでしょう。
同級生と比べ、はるかに広範囲の仕事ができる人物となれる可能性があります。
これらの経験は、実は転職市場においては魅力です。
もし次のキャリアにチャレンジしたい場合は、何でも吸収し、仕事をしてきた経験がきっと評価されると思います。
◆その後のキャリアは?
ただし、30代になるころには、あるジレンマに陥ることはありえます。
ビジネスの規模がどうしても小さいと物足りなく、マンネリを感じてしまう人も出てくるでしょう。
入社10年近くを同じ会社で過ごせば、自分がどのくらいで昇進できそうかもみえてきます。
いまの会社で、このままいったら、早めに管理職になりマネジメントを経験できる可能性もあるはずです。そう感じられれば、ぜひ今の会社で若手の役員を目指してみるのもアリです。
大企業では50代半ばでしかなれないような役職に、若くしてなるのも、自分の視野を広げるにはまた魅力なのです。
もし、昇進には関心がない、もしくは昇進する見込みがそこまでないというのであれば、次の二択となります。
① 組織の中で、自分のペースで働いていく
② 思い切って、転職を考えてみる
です。
① 組織の中で、自分のペースで働いていく
あまり活躍できていない(昇進見込みが低い)と感じている人には、このコースをお勧めします。こういう方は、転職市場でも評価されにくいので、じっくり実績をつくるまでは今の会社で働いた方が結果としていいと思います。
企業にもよりますが、長年働いていれば、年功的昇格の恩恵を受け、それなりに昇進できる場合もあります
② 思い切って、転職を考えてみる
それなりに活躍できているけど、今の会社はビジネスの規模や組織としての厚みがあまりなく自分としては物足りない、そう感じていれば転職するのも手です。
20代であれば、職種転換も含めた大きなキャリアチェンジができますし、30代以降に業界の大手企業にチャレンジすることも可能です。
以上、見てきたように中小企業に就職しても、その後のキャリアについては、いくつかの選択肢がとれるのです。
自分のキャリアは自分で創るという前提で、中小企業で過ごすメリットも考えてみてもいいのではないでしょうか。