利益を追求することが、企業の目的であり、それは数字に反映されます。
売上、利益といった軸でみた場合、勝ち組や負け組というのは存在しますが、個人のキャリアにおいては、勝ち負けはありません。
就活や転職活動をする方は、この部分をまだまだ勘違いしている人が多いですね。
まずは倍率の高い人気企業や、多くの会社から内定をゲットすることに価値を感じていたりしませんか?
◆幸せなキャリアと不幸せなキャリアがあるだけ
単純な話です。
個人が何に対して幸せを感じるのでしょうか?
人それぞれですよね。
仕事への達成感で生きていると感じる人もいれば、働くのはそこそこに趣味に生きるのだってOKですよね。
あなたの人生です。国民としての義務を果たした上で、好きに生きていいんです。
そこに勝ち負けを持ち込む必要はないし、そういう発想自体がナンセンスです。(なお、常に競争していたいタイプの人間にはこの考え方が受け入れにくいようです)
◆時代背景をふまえよう
日本も高度成長期は、賃金が少し上昇するだけで、買えるものが増え生活が充実した時代でした。
電化製品の3C(クーラー、カー、カラーテレビ)は、庶民が欲しい憧れの対象であったし、「いつかはクラウン」という言葉もありました。
お金を稼ぐことで、確実にクオリティー・オブ・ライフ(QOL)が上がる世界がそこにはありました。
この時代は、皆が、出世競争に勝ち管理職となることを必死に目指した時代でもありました。(おそらく一定数の競争が好きではない人たちも、時代の雰囲気にのみ込まれて頑張っていたはずです)
今はどうでしょうか?
生まれたときから一定の生活レベルがある一方で、日本経済は成熟してしまったため、ハングリーに生きることで生活レベルを上げていくのは非常に至難な状況です。
無理に出世するよりも、自分らしくストレスが少ない人生に価値を感じる人も多いように思われますが、実は勝ち負けという発想を捨て去ってはいないのではないでしょうか?
◆現代での勝ち負けとは、「好きな仕事に就けるかどうか」
自分が好きだと思うことを仕事にするのが、キャリアにおける価値基準となってきました。
ですが、冷静に考えてみると、自分が好きなことって何でしょうか?
消費ではなくて、仕事という側面から考えるとそんな仕事はたくさんあるのでしょうか?
例えば、おしゃれで、キレイで、知的で、クリエイティブな仕事って、そんなに世の中にあふれているわけではないのはわかると思います。
そのイメージに引っ張られて就職したところで、その仕事につける人は一握りなのです。
そして、日本企業には異動があります。好きな仕事を一生できるわけではないのです。
この現実をふまえずに、好きなことを仕事にしたいというのは、夢を見がちではないでしょうか?
◆むしろ、好きなことは仕事にしなくたっていい!
我々プロのアドバイザーですら、全ての職業を網羅できていません。いまの
仕事はそれだけ細分化されています。
キャリアに関して、おそらく素人のあなたが好きな仕事につけたとしても、それは狭い範囲で選び取っただけです。
他に好きなものが見つかった時、好きな仕事の嫌な側面を知ってしまった時、新たなチャレンジが必要とされた時、非常に辛い現実が待っています。(未経験の分野であるほど、すぐその仕事に就ける可能性は低いからです)
◆むしろ好きに仕事をするべき!
発想を転換して、好きな仕事ではなく、好きに仕事をすればいいと割り切ってみましょう。
なんとなくの好きよりも、まずは性格的にマッチする業界や企業、得意な仕事に就くことを優先した方がいいです。
自分のことは分かっているはずですし、企業も分析や調査をすればわかります。
そして、力を発揮できそうな企業でがんばりましょう。
動機のともなった得意なことをやっているとき、人間はいきいきします。
得意なことだからこそ、周りが信頼してくれ様々な仕事を任せてくれるようになるでしょう。
いつか自分が仕事をコントロールする立場にいければ、好きに仕事ができるようになります。
(たくさん仕事の依頼があれば、あなたは自分がイヤな仕事を断ることもできます)
その意味では、自分の内面的な動機に気づいてそれを活かせる業界や企業を探しておいた方がいいでしょう。
動機については、
を読んでください。
これからが本番です。
勝ち負けを意識しすぎない、あなたらしい就活・転職活動をしてください!