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なんの取り柄もないダメな私の就活  

 

◆競争、挑戦、変革

企業は、自社に常に継続的に高い利益をもたらしてくれる可能性のある人材を獲得するために採用活動をしています。

 

ですから、現状維持で変化を恐れる人よりは、新しいことに臆せずどんどん挑戦して、失敗を恐れずに前進し、転んでも立ち上がり、這ってでも前に進み、周囲を巻き込みリーダーシップを発揮できるような人材は総じて好まれる傾向にあります。

 

その結果、企業に高い収益・利益をもたらすことができるわけですが、普段生活している上では、そこまで人と競争したり、壁を乗り越えて這い上がったり、新しい世界に踏み込んだりする経験はあまりありませんし、基本的にはなれ合いの世界で心地よく身の丈で生きている人が多いのではないでしょうか。 

 

◆いつも行く店が同じ?

友達とカフェやランチ、居酒屋などに行くときは、だいたいいつも決まった店に行くか、それとも常に新しいお店をリサーチし、とりあえず試してみる人か、どちらでしょうか。

挑戦と聞くと、突然海外へ渡航して、言葉の通じない人々の中へ飛び込むようなイメージがありますが、身近な日常生活の中にも、自分の性格に基づく行動特性が潜んでいます。

だいたいいつも同じ人とつるみ、同じ街の同じ店で過ごすタイプの人は、もしかしたら新しい店にトライすると、その店の味や接客や雰囲気が合わなかったら後悔すると思っていて、失敗を恐れるタイプかもしれません。

 

逆に、新しい店をどんどん開拓し、あの街のあの辺に、こんなスイーツの専門店ができたよ、とはしゃいで周りを巻き込めてしまう人は、変化や挑戦ということにも寛容で、わりと適応力があるのかもしれません。

 

◆内向きで、非社交的で、変化を恐れる人

新しい物事に挑戦する事は、失敗するかもしれないし、恥をかいたり笑い者にされたりするかもしれません。

あるいは、未開の地へ足を踏み入れたことで、大きな病気や怪我をするかも知れないし、重く深い孤独に悩まされることもあるかもしれません。

 

それでも、企業は、変化を恐れずに挑戦心のある人を求めています。

この傾向は近年ずっと変わっていません。世界が激しく日々変化している以上、その早い流れに対応する必要があるからです。

変化や新しい環境に飛び込む人が苦手な、内向きで非社交的で、小さな事におびえ、恐れ、びくびくしてしまう小心な方はどうしればよいのでしょうか。強みは無いのでしょうか。

 
参考 
営業は口下手でよい?意識低い系の就活 
  
 

◆リスク管理能力と的確な業務遂行力

変化を恐れ、失敗を避けて、現状を維持する事にこだわるタイプの人は、全国転勤も避ける傾向にあります。なぜなら、勤務地が変わるということは、働く環境も人もガラリと変わる事であり、最大のリスクだからです。

 

そんな人には、なんの良さも強みも無いのかと言うと、それは間違いです。

人は必ずなにかの天才なので、必ず隠れた才能があります。

 

とある企業のとある部署には、営業が5人、事務が2人、管理職が1人居るとします。

基本的には、押しの強い営業パーソンが多く、日々忙しく競合他社と争いながらシェア獲得に奔走しています。事務職の2人は、そんな彼ら彼女らの営業事務(営業サポート)をしており、見積書や契約書作成、顧客とやりとりなど「攻め」の営業が抜け落ちてしまう細かい事務周りをケアします。

 

ここで、ケアが出てくるのですが、営業は競争に勝つために常にオフェンシブな気持ちで前しか見ていないため、重要な書類を見落としたり、顧客に言われていた期日を忘れてしまったり、「抜け」が必ず出てきます。

そこで、営業サポート部隊である事務職が、ジョブに優先順位をつけて、書類作成や期日に間に合わせるための「抜け」が無いか細心の注意を払い営業パーソンの「ケア」をします。

 

逆の役割を与えられた場合、堅実で慎重で細心の注意を払いミスや失敗や抜けを許せない事務職は、客先との交渉や調整などの対人関係における臨機応変な対応やガンガン前に突き進むオフェンシブ攻勢は取れません。

逆に、営業パーソンも、常に客先の心中に思いを察しながら、新たな顧客とのパイプを探り、利益を追いかけているわけですから、細かい書類の不備やミスを常に見逃さずに事務作業に優先順位をつけながら、事務における臨機応変な対応や堅実にお城を守るディフェンス態勢は取れません。

 

という住み分け、切り分けで考えれば、

新たな事に果敢に調整し前に前に突き進むタイプでは無い人は、事務職で徹底的にリスクを管理し、マネジメントし、守りの態勢で対処していく仕事に長けていると言えますし、ミスや抜けなく迅速に業務を進める力があると言えます。

◆どんな営業職なら自信ない人もやっていけるか

では、内向きで変化や失敗を恐れ、チャレンジ精神が少ない人は全員事務職が向いているのかと言うとそんなことはありません。

営業職は、業界によってその働き方が全く異なりますが、薄利多売で価格競争に巻き込まれやすい消費財や、他社の商品と差別化しづらく付加価値を乗せづらい営業は正直向いてないと考えます。

なぜなら、そのような商品・サービスのほとんどが「スピード重視」となる傾向があるからです。

 

抜けは無いか、ミスは無いか、など細かいことを考えていては、あっという間に競合他社にそのチャンスを奪われます。

 

もし、営業として勝負するならば、

・競合他社が少なく価格競争に巻き込まれにくい
・スピード勝負ではなくコンペまでにじっくり時間をかけることができる
・これからネットに食われない業界や企業の営業職

を狙う事を勧めます。

 

例えば損害保険における火災や自動車などの保険商品1つ取っても、組み合わせ(商品の抜き差し)が比較的自由にできて売りやすくカスタマイズでき、低価格商品で競争他社も同じような保険商品を売っているとなると、スピード勝負と価格競争になる可能性が非常に高いので、非チャレンジャー、非フットワーカーには絶対に向いていません。

 

かと言って、プロパンガスの営業が向いているかと言うと、これまではのんびり自分のペースで既存顧客先を回って顔を出していれば継続で契約してくれたケースがあるかもしれません。

しかし、電力同様にガスも自由化になり、競合がどんどん参入してくると価格競争に巻き込まれます。そして、電気やネットや家屋調査とのセット売りで総合サポートを大資本に仕掛けられてしまうと、単体でプロパンガスを売り続けることは苦しくなってくるでしょう。

 

◆おそらく、地主かインフラか地銀か中小メーカー

身もふたもない提案をしますと、

内向きで、現状維持が精一杯で、ガツガツしていなくて、チャレンジ精神が無い人は、公務員か、NPOや大学職員など非営利団体を目指してください。それしかありません。

営利を目的としている民間企業では、新しい事に挑戦できない行動特性は致命的だからです。時間がかかってでも、試験勉強をした方が、長い人生あぁよかったと思えるはずです。

 

もし、民間企業を志向するならば「地主(土地持ち企業)」です。

大きな不動産を持つ地元の私鉄や、財閥系の不動産(特に管理会社)、倉庫会社(好立地に安定収益の見込める不動産を持っている倉庫会社)、電気ガス水道などのインフラ系企業がオススメです。

本業が崩れても、不動産という安定収入で食っていける事業体は魅力的です。ただ、倉庫業1つ取っても、大手不動産デベロッパーがどんどん参入してきていますし、現状維持マインドが強く挑戦心が無いなら公務員です。

 

それから、挑戦心は求められますが、転勤というものすごい大きな環境変化に伴うリスクを避けたいのであれば、メガバンクの地域総合職(個人・法人は選択可能)か、地銀・信金か、JA(農協)か、地元だけしか展開していない中小企業を当たってください。

営業に配属される以上、ある程度のガツガツ感、前のめり感は求められますが、スピード感は損保よりマシです。

それから、商社は絶対に避けてください。スピード感、提案力、交渉力、臨機応変な対応力、どこを切り取っても変化を恐れる守りの人には合わないからです。

であるならば、メーカーがオススメです。

自社の技術や製品をこよなく愛し、伝統・技術を守り続ける中小のメーカー。小さいけれど、小さいなりの規模間で、グローバルニッチを標榜するメーカー。とりわけ最終製品ではなく、中間財や川上を扱うメーカーから当たってください。(キャリアセンターに就職実績あります)

 

 

◆とはいえ、主体性と協調性は最低限必要

どんなに守りで、びびりで、変化や挑戦を恐れていても、絶対的に備えていたいことは主体性です。自ら考えて行動することができなければ、公務員等非営利団体であっても務まりませんので、就職自体を一回考え直した方がよいかもしれません。

また、職人を目指し師匠に師事するわけではなく、組織で全く性格の異なる人間と働くわけですから、ある程度の協調性も必要です。周囲をぐいぐい引っ張っていくリーダーシップや統率力は無かったとしても、せめて周囲から好かれる素養で難局を他者がケアしてくれる関係性は構築しておかなければ、誰も助けてくれません。

 

自分に自信がなくて、積極性も無いのであれば、せめて従順で手を差し伸べたくなる存在であること。そして、上司や先輩からノウハウや技術を学び、少しずつ自分のものにしていけば、その蓄積が自分の根本の性格は変えられなくても、自分のダメな部分を意識的に抑制したり、コントロールしたり、バランスを取ったりするスキルが身につくかもしれません。

 

頑張れなければ、頑張れないなりに、どう頑張れるか、この就活で自分なりのファイトスタイルを見つけていきましょう。