ES提出の時期になってきました。
我々のもとへも、応募者からいろいろなご相談を頂いています。
さて、他者のESをネットで見たことがある人も多いと思います。
はたしてそういった情報は参考になるのでしょうか?
お手本としてマネすべきなのでしょうか?
ここでは、他者のESをみる際に気を付けるべき点をお伝えします。
◆内容について
言うまでもなく、自己PRは人それぞれです。
内定者のESを入手しても、それを話すのは自分ではありません。またESはあくまでも「エントリー段階のシート」です。
これだけで、内定までもらえるという甘い話でありません。
また、志望動機ですが、人によって、やりたいこと、貢献できる自分の強みや性格というものはバラバラなはずです。
それらをふまえずに、単純に入手したES例を似せて書くことは全く意味がないでしょう。
◆表現について
まず、気をつけなければならないのが、自分の語彙の範囲なのかという部分です。これは、我々のようにES添削しているプロは特に気を付けている部分です。
自分が普段使わない言葉遣いや単語を羅列しても、文章としての魅力度は落ちてしまいますし、面接で伝えようとしても、借り物の言葉では説得力が出ません。
そして、他者のESを参考にする上では、書き手が自分の性格と近いかどうかにも気を付けましょう。
自分がどちらかというと弱気な性格なのに、強気な他者のESをマネしても意味がありません。
例えば、「私なら活躍できる」とか「誰よりも売って見せる」と書いたところで、それは知らない誰かを演じていることになってしまいます。
自分の性格やバッググランドと近しいESであるかどうかも、参考にする際に意識してみてください。
◆全体構成を知る上では有益ではある、ただし・・・
他者のESで参考にすべきは、その構成です。
自分が採用担当になったつもりで、なぜわかりやすく説得力があるのか、着目してみてください。
注目すべき要素としては、3つあります。
「簡潔に」・・・無駄がなくわかりやすい文章か
「具体的に」・・・曖昧でなく、説得力を持たせる根拠や事実が表現されているか
「論理的か」・・・結論と根拠がつながっている等、因果関係の正しい文章か
これらは文章表現の基本ですが、人によってかなり差が出る部分でもあります。
他者のESをみるのは無駄ではありません。
ただし、これから提出するあなたは、その人ではない。
よって、他者のESから学ぶべきは、その文章の流れ(論理構成)や表現方法の部分であり、内容そのものではないのです。
ある程度は抽象化して吸収しないとES例は、意味がありません。
具体的なエピソードの面白さとか、内容の奇抜さに目がいってしまうと、わけのわからないマニアックなESとなってしまいます。
◆ES本来の意味を復習しよう
エントリーシートは、あなたを応募先の企業に理解してもらうための書面です。
目的は、読み手である採用担当者に「会ってみたい」「詳しく内容を確かめたい」と思わせることです。
採用担当を笑わせようとか、応募者の誰よりも変わったことを伝えるためのシートではありません。
あなたの良さを伝えるための提出物であるという、大前提をおさえて書きましょう。
では、就職活動・転職活動がんばってください!