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公務員はつらいよ?民間企業から市役所を目指す人の盲点

今回は、営利を目的としない代表格である公務員、市役所などの仕事をテーマに取り上げます。

 

 

・今の会社(上司)に希望が持てない

 

・住み慣れた地元で公務員になりたい

 

・このままずっと営業で突っ走れない

 

・給料高くて仕事ラクそうで社会的地位も高い

 

 

様々な理由はあれど、新卒で元気に飛び込んだ仕事も、3年、5年と経つにつれ段々疲れてきて、上司を見ても未来に希望どころか、この会社であんな40代は迎えたく無い、なんて思う方もいるでしょう。

 

 

 

◆営業上がりはとっても苦労する事務の世界

 

上記理由の、安定と社会的地位を得るために民間企業から公務員に転職したい人も居るでしょう。

これは、市役所など自治体仕事だけではなく、団体職員や大学職員にも通じる苦労があります。

 


人によりますが、単純事務作業がこの上なく辛いです。

 

 

大半の方は、公務員の仕事を「ラクそう」って思っていませんか?

 

もちろん、ノルマや目標など数字に追われる営業人生よりはマシと考える人もいるかと思いますが、元営業(現営業)の方は、事務職を随分と誤解されています。

 

 

今まで、自分が外回りで取ってきた仕事を、営業事務の方に丸投げしていた見積書や請求書、契約書の作成なんてまだかわいい方です。

 

 

職種によりますが、本当に、辛いのは、

 

50,000人の手書き書類に不備が無いか1日かけて調べること 

 

です。

 

なんだ、そんなのCSVに落とし込んで、必要なデータだけ書き出して、関数使ってちゃちゃっと調べりゃいーじゃんと思っても、書類は手書きですのでそれはできません。

 

 

したがって、書類不備のチェックは、全て人海戦術の手作業となります。それを一斉に手分けしてやるので、自分に与えられたのは、50万人の地域住民のデータのうちの10分の1である5万人分です。

 

これを、目が乾くまで書類チェックとエクセルへの打ち込みを繰り返す。こんな非効率な仕事は、AIでも導入してロボットにやらせとけよってなもんですよね。

 

 

要するに、

 

・超絶アナログなバカバカしい単純作業(失礼)に耐え続けることができるか

 

 

というのは、公務員を目指す人の素養の1つの目安になります。

 

11と書いてあるか。

・枚数は50,000枚で合っているか。

・チェックボックスにチェックされているか。

 

 

このようなあくびが出るような単調・単純作業を、今の職場で、営業事務の方に仕事をもらって訓練しておいてください。

 

 

◆生まれ育った地元に恩返しがしたい系

 

よく拝見するこの手の志望動機。

 

あるいは、観光客や地域に住む住民を増やすための施策、企業誘致のための施策を打ち出していきたい、私の民間企業で培った営業力で!

 

といった、意気込んだESもよく見ますが、どれも少しズレてます。

 

 

◆知りたいのは、あなたの経験と能力だけ

 

もちろん、入職後のキャリアプランや、実現したいことという項目は設けられいます。

 

そこには、あなたのこれまでのキャリアを活かせるような施策や具体案を明確に示す必要がありますが、人事が本当に知りたいのは、実現したいことではなく、

 

 

・実現できる再現可能性のある人か

 

 

を見極めることに尽きます。

 

 

この微妙な違いを理解していない方が多く、

 

 

・まちづくりにひと役かいたい

・住民の方々の満足度を高めたい

・企業を誘致してまちおこしがしたい

 

 

といったあいまいな目標となるケースが非常に多いです。

 

 

地元に恩返しがしたいのであれば、休日にボランティアでもしてください。別に、その自治体がその志願者へ恩を売った覚えはありません。

 

 

また、やりたいことは、まちづくりでも住民の満足度向上でも構いませんが、そのための具体案と、それを本当に実現できる人材なのかを、

 

 

・過去の職務経験から能力を証明すること

 

 

が大切です。

 

 

仮に、営業や、商品展開のための企画・開発をしていたからと言って、その自治体を盛り上げるために、自治体のPR活動に携わりたいというのは、自治体仕事の本質を理解していません。

 

 

 

◆求められているのは現場力

 

現場、すなわち地域住民の直接関わる各種手続きに関する住民窓口が、議会と住民をつなぐ本当の意味での「顔であり橋渡し役」です。

 

ですから、まちづくりや人口増のための施策、自治体PR業務の前に、

 

 

・まずは現場で住民の生々しい声を聴く

 

 

ということが、志望動機の一義的に出てきてほしいワードであると考えます。

 

職員の言動、一挙一動が、市役所のイメージ(感じがいいな、なんだか愛想がないな等)となり、ダイレクト住民に伝わります。

 

時には、毎日毎日怒鳴り込みに来るようなモンスタークレーマー住民も来ます。

 

後方事務で黙々と作業することを望むのではなく、そのようなクレーマー住民の対応で日々疲弊している先輩事務員の方々の代わりに、

 

・自分が窓口の先頭に立ち、相手をなだめ、話を聴き、理解を得ていただくこと

 

を週5日約40時間、苦痛を感じずに出来る覚悟を示すことが志願者に求められている使命です。

 

 

 

◆優しさだけではやっていけない仕事

 

また、「住民のための自治」とは言え、公平性や規則、政令など法規制などにより、要望に応えられないのとも多々あります。

 

そこで、私情をはさまずに、

 

・出来ないものは出来ません

 

と冷たく聞こえないように伝え理解を得る力。

 

公務員試験において、筆記試験よりもコミュニケーション能力が求められるというのは、まさにこの、

 

・寄り添いつつも突き放す姿勢=バランス感覚

 

のことを指しています。

 

もちろん、内部の方々とうまく人間関係を構築しながら仕事を円滑に進める能力も、このバランス感覚に含まれます。

 

 

これは、銀行パーソンで言うところの、「(融資に関して)貸せないものは貸せない」と断言できるスキルと重なります。

 

かわいそうだから、と言って年金の支払いや納税を先延ばしにすることなんてできませんし、そんなことをしたものなら、公平性の観点からその自治体の信用・信頼は失墜します。

 

 

・明日生きていくお金がない人に対して、きちんと規則通り追い詰めることができるか。

 

 

少々乱暴な言い方ですが、年金課、納税課の職員はそれを毎日、私情をはさまずに行っています。

 

 

サービス精神やホスピタリティの気持ちだけの志望動機が人事の心に刺さらないのはそのためです。自分が差し出したその手、その優しさが、あらたなクレームを呼ぶ。

 

つまり、あの人には特例措置を取ったのに、私にはしてくれないのか!という新たな怒鳴り込みを呼ぶ。

 

 

規則通りで、例外は一切認めないお役所仕事と言われるゆえんはそこにあります。
臨機応変な対応や優しさは、きちんと年金を支払い、きちんと期日に納税している他の多くの住民に失礼です。

 

 

公平性や規則・制度きちんと守り、それを相手に理解していただく。

 

そして、当たり前のことを淡々と、かつ正確に事務作業を進めるかたわら、激高した住民が来た際にも自ら率先して席を立ち、スマートで冷静な対応を取るスキルと行動力を、今の職場で身につけておくとなお良いでしょう。

 

 

以上を簡単にまとめると、

 

 

11であると確認する仕事に苦は無いか

 

・現場の最前線に立つ志望動機となっているか

 

・ダメなものはダメと言えるタフさはあるか

 

 

このような観点から公務員という仕事を考えてみてもよいと思います。